スクラムというコンフォートゾーンから抜け出そう!プロジェクト全体に目を向けるインセプションデッキ
Inception Deck for seeing the whole project
概要
Scrum Fest Fukuoka2025にて。
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5分でわかった気になるインセプションデッキ
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スライドの内容
- 及部敬雄 (@TAKAKING22) 2025/03/08 Scrum Fest Fukuoka 2025 スクラムというコンフォートゾーンから抜け出そう! プロジェクト全体に目を向けるインセプションデッキ
- とあるプロジェクトの立ち上げ 「次のプロジェクトは、 君が開発チームのリーダーだ。 新しいチームを立ち上げてさっそく仕事を 開始してくれ。頼んだよ!」
- とあるプロジェクトの立ち上げ 「次のプロジェクトは、 君が開発チームのリーダーだ。 新しいチームを立ち上げてさっそく仕事を 開始してくれ。頼んだよ!」 『は、はいっ!』
- 『新しいプロジェクトかー。 はじめて一緒に働くメンバーもいるし、 なにからはじめたらいいんだろう?』 とあるプロジェクトの立ち上げ
- 『新しいプロジェクトかー。 はじめて一緒に働くメンバーもいるし、 なにからはじめたらいいんだろう?』 『前のプロジェクトではスクラム採用してたし、 スクラムをベースに必要なものを準備するか。』 とあるプロジェクトの立ち上げ
- 『プロダクトバックログを用意して。』 とあるプロジェクトの立ち上げ
- 『プロダクトバックログを用意して。』 『スプリントイベントを設定して。』 とあるプロジェクトの立ち上げ
- 『プロダクトバックログを用意して。』 『スプリントイベントを設定して。』 『タスクボードをつくって。』 ・・・ とあるプロジェクトの立ち上げ
- 「こんにちはー!よろしくお願いします!」 「お、いろいろ準備してくださって ありがとうございます。」 『はーい、がんばっていきましょう。』 とあるプロジェクトの立ち上げ
- 『ふう、なんとか新しいプロジェクトを はじめることができたな・・・。』 『あとはやっていくだけだ! リーダーとして頑張るぞ!』 とあるプロジェクトの立ち上げ
- 1ヶ月後・・・
- 『レトロスペクティブはじめます!』 『なにかProblemありましたか?』 「・・・。」 「特にないです。」 『・・・(なんか盛り上がらないなー)。』 プロジェクトがはじまって1ヶ月後
- プロジェクトがはじまって1ヶ月後 『ああ明日スプリントレビューなのに 準備が全然できてない…。どうしよう。』 『あれ?みんな帰ってしまったし、 なんで自分だけこんなに忙しんだろう。』
- プロジェクトがはじまって1ヶ月後 「会議の時間が増えて開発に集中できません。 どうにかしてください! リーダーが採用したスクラムが よくなかったんじゃないですか?」
- 『失敗した…。なにが悪かったんだろう?』
- 新しいチームにアサインされたとき 新しいプロジェクトがこれからはじまるとき 今のチームでこれからスクラムをはじめるとしたら あなたはなにからはじめますか?
- プロダクト バックログ スプリント イベント スクラム タスクボード
- プロダクト バックログ スプリント イベント スクラム タスクボード これらはあくまで手段の1つ
- 手段がうまくいかなかったら失敗なのか
- 目的 体型を維持して 健康的でありたい 手段 運動をする
- 目的 体型を維持して 健康的でありたい 手段 運動をする 結果 なかなか 運動が続かなかった
- 目的 体型を維持して 健康的でありたい 手段 運動をする 結果 なかなか 運動が続かなかった 『失敗した!』 『自分は健康的になれないんだ!』
- 構図は同じ!
- 目的 体型を維持して 健康的でありたい 手段 運動をする 結果 なかなか 運動が続かなかった 一部の結果だけを見て 過剰に反応してしまっている状態
- 全体に目を向ける 目的と手段のまわりにある前提情報や制約はなにがあるのか 手段を実行するための条件は揃っているのか 問題vs私たちになれているのか
- インセプションデッキは、 これからなにかをはじめるときに チーム全員で全体に目を向ける活動
- 及部敬雄 (@TAKAKING22) 2025/03/08 Scrum Fest Fukuoka 2025 スクラムというコンフォートゾーンから抜け出そう! プロジェクト全体に目を向けるインセプションデッキ
- TAKAKING22 株式会社ホロラボ 執行役員 Silver Bullet Club AGILE-MONSTER.COM 制御不能なアジャイルモンスター 及部敬雄
- 今日のお話の背景 さまざまなチームや組織の支援を通して、 考える人とつくる人の分断が多くなっているように感じる アジャイル開発やスクラムは完全ではないので、 自分たちで考えて構築していかなければいけないが、 意外と全体に目を向けられていないのではないか それらを考える上でインセプションデッキはちょうどいい
- アジェンダ インセプションデッキとは なぜ今インセプションデッキなのか スクラムとインセプションデッキ 現場でインセプションデッキをつくる
- アジェンダ インセプションデッキとは なぜ今インセプションデッキなのか スクラムとインセプションデッキ 現場でインセプションデッキをつくる
- インセプションデッキ
- インセプションデッキとは アジャイル開発のプラクティスの1つ プロジェクトをはじめる際に明らかにしておくべき 大切なことを知るための活動 10個の質問に答えていく形式 チーム全員で話し合って合意したものをアウトプット
- プロジェクトのゴール 自分たちがそれをやる理由 ミッション
- プロダクトのゴール なにを、なぜつくりたいのか ニーズ
- ユーザーのベネフィット プロダクトの価値 ビジョン
- やらないことや 決まっていないことの明確化 スコープ
- ステークホルダーや 関係者はどれくらいいるのか コミュニティ
- 技術的に どのように実現するのか アーキテクチャ
- 目標の達成を妨げる要因と その対策 リスク
- ざっくり いつ頃に終わるのか スケジュール
- 何を重要だと考えているのか どうやって調整をするのか 荒ぶる四天王
- いつ完了して いくらくらいかかりそうか コスト感
- W W W W W W W W 我われは なぜここにいるのか
- 似たようなことをやってる? ex. プロジェクト憲章、キックオフMTG・・・
- それでいいんです! 大事なことにヌケモレがないか プロジェクトはReadyな状態なのか 関係者全員で合意できているか 全員が確認できる場所にアウトプットされているか なにかあったときにそこに戻ってこれているか 目的を達成できているのかを再確認しましょう
- インセプションデッキとは アジャイル開発のプラクティスの1つ プロジェクトをはじめる際に明らかにしておくべき 大切なことを知るための活動 10個の質問に答えていく形式 チーム全員で話し合って合意したものをアウトプット アウトプットよりも過程が重要!!
- Photo by Mathew Schwartz on Unsplash 自問自答してみよう ・ 一部の人間だけで決めていないか ・
- 合意したつもりから共通体験を通して真の合意へ
- アジェンダ インセプションデッキとは なぜ今インセプションデッキなのか スクラムとインセプションデッキ 現場でインセプションデッキをつくる
- インセプションデッキの歴史 書籍「アジャイルサムライ」の中で紹介されている 日本語版2011年発売 原著2010年発売
- インセプションデッキの歴史 ThoughtWorks社は受託開発やコンサルティングが主たる事業 受託開発プロジェクトの中で発注者との認識のズレによる問題が たびたび起きていて、その解決策としてインセプションデッキの原型 が考案された 当時ThoughtWorks社に勤めていたJonathan Rasmusson氏が 2006年のAgile Conferenceでインセプションデッキを紹介 2010年に「アジャイルサムライ」(Jonathan
- https://agilewarrior.wordpress.com/2010/11/06/the-agile-inception-deck/
- The Agile Inception Deckより “アジャイル手法が完全に無視している分野の1つが、プロジェクト憲章です” “プロジェクトを開始するときに、あなたとあなたのチームは、すべてにおいて 同じ認識を持っていると状態だと思います。しかし、実際に構築し始めると、 それぞれが異なる意見を持っていることがわかります。” “次のアジャイルプロジェクトをはじめる前に、最初に厳しい質問をして、 すべての関係者の足並みを揃えておくようにしましょう。そうすれば、
- アジャイルサムライ発売から15年
- アジャイルサムライ発売から15年 アジャイルサムライは今でも日本語で読めるアジャイル開発の 代表的1冊ではあるが、読んだことがない人が増えている インセプションデッキは現在でも活用されている 一方で、インセプションデッキを知らない人、つくったことが ない人が増えている
- 2010年前後 2025年現在 アジャイル開発やスクラムはマイノリティ 周囲の理解を得ることが大きな壁であり、 はじめることが難しい 事例などの情報も少ないため、 手探りで実行していく必要がある アジャイル開発やスクラムの外に 目を向けざるをえない状況 アジャイル開発やスクラムは市民権を獲得
- 現在のスクラムをとりまく状況 スクラムははじめやすく、集中して取り組みやすくなった その反面で、プロダクトオーナーと開発者、スクラムとスク ラムの外との分断が起きやすくなっている
- インセプションデッキは、 これからなにかをはじめるときに チーム全員で全体に目を向ける活動
- なぜ今インセプションデッキなのか アジャイルサムライ発売から15年の時が経ち、 インセプションデッキに触れる機会が減っている スクラムに集中しやすくなった反面で、 スクラムとスクラムの外との分断が起きやすくなっている チーム全員で全体に目を向ける活動であるインセプションデッキ の重要性が高まっている
- アジェンダ インセプションデッキとは なぜ今インセプションデッキなのか スクラムとインセプションデッキ 現場でインセプションデッキをつくる
- スクラム スクラム(名詞): 複雑で変化の激しい問題に対応するためのフレームワーク であり、可能な限り価値の高いプロダクトを生産的かつ 創造的に届けるためのものである。 スクラムガイド2020
- スクラムの構成要素 スクラムチーム 開発者 プロダクトオーナー スクラムマスター 作成物 プロダクトバックログ スプリントバックログ インクリメント イベント
- スクラムマスター プロダクトオーナー 開発者 教える 支援する つくる 価値を 最大化する 教える 支援する
- Day1(水) Day2(木) Day3(金) Day4(月) Day5(火) 9:00 10:00 スプリント プランニング 11:00
- スクラムのイベントと作成物の関係 1. プロダクトバックログを用意する 2. スプリントバックログを用意する(スプリントプランニング) 3. スプリントを実施する 4. チームの状況を毎日検査をする(デイリースクラム) 5.
- 何度も繰り返す スプリントを何度も繰り返す チームで学習してうまくなっていく
- スプリントとリリース ʜ タイミングはビジネス判断 いつでもリリースできるように
- スクラム スクラムは最初に導入しやすい 軽量なので学び/教えやすいが習得は困難である 完全ではないのでチームで補完する必要がある スクラムではビジネス面や技術詳細には触れられていない
- スクラムの位置づけ Photo by GeoJango Maps on Unsplash
- スクラムはプロジェクト全体のほんの一部
- スクラムにないもの どのように課題を発見し仮説を立てていくのか どのようにプロダクトバックログをつくるのか どのように技術的に実現させるのか どのように適切な効果測定を実施するのか
- 周辺領域はまだ見えやすいが、 特にプロダクトバックログの向こう側は見えにくい
- 冒頭のエピソード
- 見えている範囲で起きていることだけで 判断しまっているのではないだろうか
- インセプションデッキはもう少し視野を広げて 薄目で全体に目を向ける活動
- 全体に目を向ける インセプションデッキをつくればすべてがわかるわけではない しかし、インセプションデッキをつくることで、煮詰まってい ないところやつながっていないところがぼんやり見えてくる スクラムを営む中でうまくいかない状況がうまれたときに、 なにが起きているのかを受け止めやすくなり、 とるべき手段を考えやすくなる
- スクラムとインセプションデッキ スクラムはプロジェクト全体の一部でしかない 特にプロダクトバックログの向こう側は見えにくい インセプションデッキはスクラムの内も外も含めて 薄目で全体に目を向ける活動 スクラムを営む中でうまくいかない状況がうまれたときに、 なにが起きているのかを受け止めやすくなり、 とるべき手段を考えやすくなる
- アジェンダ インセプションデッキとは なぜ今インセプションデッキなのか スクラムとインセプションデッキ 現場でインセプションデッキをつくる
- インセプションデッキをつくるときのコツ 成果物よりもつくる過程を大切にする 考える・伝える・合意する 完璧を目指すのではなく現状を受け止める
- インセプションデッキをつくるときのコツ 成果物よりもつくる過程を大切にする 考える・伝える・合意する 完璧を目指すのではなく現状を受け止める
- 成果物よりもつくる過程を大切にする 成果物としてのインセプションデッキを作り上げることを 目指したくなってしまう 成果物以上に共通体験を通してチーム合意する経験や チームに共通の言葉ができることに価値がある
- チームメンバーが誰もいないところで合意したことを 前提にしているから、プロジェクトがだめになるんだ。 「アジャイルサムライ」(Jonathan Rasmusson著)
- だからこそ以下のことに気をつける チーム全員で集まってつくる 一部のメンバーだけでつくって他のメンバーに共有だけすることは避ける プロジェクトの状況によっては、先に埋めておいたほうが良さそうなスライドを あらかじめ埋めておくことはあっても合意は全員いるところで行う 無理に全部つくろうとしない ある程度議論が長引いてもその時間を大切にする(起こるべくして起きているのかも) スライドに優先順位をつける 終わらなくても次のアクションを合意する
- チームに共通の言葉ができる 「これってインセプションデッキで話してたあれだよね?」 「あれ?いまの状況って夜も眠れない問題に出てなかった?」 「これはやらないことリストにあったから今は時間を 使い過ぎないようにしよう」 「トレードオフスライダーの通りスケジュール優先なので、 スコープを削って調整してみましょう」
- モブワーク
- インセプションデッキをつくるときのコツ 成果物よりもつくる過程を大切にする 考える・伝える・合意する 完璧を目指すのではなく現状を受け止める
- 考える・伝える・合意する さまざまなロールのメンバーが同席するため、 スライドによって関心を向けやすい・向けにくいが生まれる ex. 「これはプロダクトオーナーが埋めるスライドだな」 メンバー間にパワーバランスが存在する場合は、 声が大きい人が生まれて言いにくい状況ができてしまう
- 誰かの講演会にならないようにする
- インセプションデッキワークの進め方 個人ワーク 共有 議論・合意 個人で考えて書く 書いたことを伝える チームのデッキにする
- インセプションデッキをつくるときのコツ 成果物よりもつくる過程を大切にする 考える・伝える・合意する 完璧を目指すのではなく現状を受け止める
- 完璧を目指すのではなく現状を受け止める すべてのスライドを埋めなければならないわけではない その時点では埋められないスライドがあるかもしれない 議論が長引いて合意できないスライドがあるかもしれない
- とあるプロダクトチームのエピソード 長い期間プロダクト開発を一緒に取り組んできたチームで あるときインセプションデッキをつくった 自分たちのプロダクトのエレベーターピッチを 個人でそれぞれつくり、共有したところ見事にバラバラだった
- とあるプロダクトチームのエピソード 長い期間プロダクト開発を一緒に取り組んできたチームで あるときインセプションデッキをつくった 自分たちのプロダクトのエレベーターピッチを 個人でそれぞれつくり、共有したところ見事にバラバラだった ズレてることがわかった!ヤッター!!
- 全体に目を向けて穴が空いているところを見つける Photo by Parrish Freeman on Unsplash
- 「プロジェクト」以外でも使えますか? インセプションデッキはプロジェクト以外にも使える プロダクトのインセプションデッキ チームのインセプションデッキ 目的や状況によって不要なスライドは省いたり、 必要なスライドを追加して自分たちのデッキをつくる
- チームインセプションデッキの例 チーム名・チームロゴ 我々はなぜここにいるのか チームエレベーターピッチ スキルマップ RACIチャート(※役割と責任を見える化するチャート) Working Agreement 夜も眠れなくなるような問題 トレードオフスライダー
- どれくらいの時間を確保すればいいですか? 最低でも半日はとったほうがいい 数日に分けて実施しても良いが、ある程度集中して熱量を高 められるとうまくいきやすい あらかじめ埋められるスライドや既に決まっている情報を 用意しておくことで時間短縮することは可能
- 更新したので、ぜひ使ってください! https://speakerdeck.com/takaking22/5-minutes-inception-deck
- タフクエスチョン
- インセプションデッキは難しい? インセプションデッキをつくる場を設定するのが難しい 誰かが一方的に決めて伝えるだけになってしまう チームにタフクエスチョンを投げづらい
- インセプションデッキすらつくることもできないチームで なぜプロダクトをつくることができるのだろうか Photo by Markus Winkler on Unsplash
- あなたはタフクエスチョンにどう立ち向かいますか?
- スクラムというコンフォートゾーンから抜け出そう Image by Pexels from Pixabay
- 及部敬雄 (@TAKAKING22) 2025/03/08 Scrum Fest Fukuoka 2025 スクラムというコンフォートゾーンから抜け出そう! プロジェクト全体に目を向けるインセプションデッキ
- @TAKAKING22 及部 敬雄 https://agile-monster.com/ インセプションデッキについて語りましょう! 気軽に雑談しましょう。講演・研修・支援も承ってます。 現役のアジャイル開発実践者による アジャイルコーチ 講演、研修、お仕事の依頼などお気軽にどうぞ